不安だった過去。ヒーローを目指す今。
- 氏名
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菅谷 直輝
- 経験
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機械いじりと物作りが好き。新卒から9年務めた職場は楽しかったが、利用者の反応がないことに物足りなさを感じていた。祖父と父が職人であることから、自分も手に職をつけようと、教育制度がなかった時代のKENSHIに大工として転身。大工の世界の奥深さに心をつかまれ、理想の大工の親方になるためまい進中。
未経験で大工の道へ。不安の中で大きなチャレンジ
KENSHIに来る前は、千葉県内にある建築建材を扱う工場で9年間、修理クルーをしていました。人間関係が良くて楽しい職場でしたが、修理というのは保全・溶接・電気・設計など仕事内容が多く、労働時間も長くなりがちでした。工場ですから通勤時間もかかりますし、だんだん体力的に厳しいと感じるようになり、どこかいいところないかなと探していたんです。
祖父が溶接工、父が電気工事の職人ということもあり、何か手に職があるほうが良いとは思いました。もともと機械いじりや物を作ることが好きなので、大工にもちょっとだけ興味はありましたね。行動に移す前には父にも相談しました。さらに、この会社に高校の同級生が勤めていることがわかったので、会社のことを聞いてみるなど、自分なりに下調べをしながら慎重に進めました。
やったことがないことですし、未経験OKってあるけど、本当に自分についていけるのかという不安はありましたが、27歳で思い切ってキャリアチェンジをしました。
技術は一朝一夕で身につかない。それでも向き合う意味
私が入った当時のKENSHIにはスクールはなく、昔風の見て習う「まねぶ」方式でした。最初は親方や先輩についていっても、手伝えることが何もありませんから、現場でも立って見てるだけ。前の職場で工具の使い方くらいは身につけましたが、大工のことはさっぱりです。どうやったらできるようになるのかがわからなくて、モヤモヤしました。見よう見まねでやってみても、それが合ってるのすらわからない。
わかったことは、職人の世界は出来て当たり前、何も言われなければ「合ってる」ということ。だからもう、現場で「やらせてください」と申し出て、繰り返しやりながら自分のものにするしかない。同期がいないので、誰とも競っていないはずなのに「負けたくない」という気持ちが勝手に出てきて、それが自分を支えていました。それでも「やっぱり、向いてないのかも」とは、しょっちゅう思いましたね。
でも、半年くらいではじめて1人で現場に行き、間近でお客様からの喜びの声と言葉を受け取ったとき「ああ、これだったんだ」って。私はずっと、こういった、やりがいを感じられる仕事がしたかったんだと気が付きました。
決められた正解は一切ない。自分だけの解を探し続ける。
転身して入った大工職人の世界には、想像を超えた奥深さがありました。基礎だけが確実に存在し、あとは親方の数だけ正解がある。一つのことに対してさらに先があるのに、頂点や完成体が存在しないんです。
例えば、ハウジング重兵衛では、店舗ごとに親方とKENSHIがいるので、勤務先店舗が変わると、仕事の進め方やおさめ方も変わります。1人の親方しか知らなければ、それが職人としての世界のすべてになりますが、複数の親方と働くと、その違いがハッキリします。基礎以外は「こうじゃなきゃダメ」がありませんが、親方による仕事の違いを理解するためには、自分に絶対的な基礎がなければ、その違いすらわからないんです。
たくさんの親方のやり方を見て覚え、そこから今度は、自分で「最もラクに・最も美しく・最も早くできる方法」を編み出していく、それが、多能工職人集団KENSHIによる、大工職人の世界だと私は思っています。今は育成カリキュラムがあり、基礎から丁寧に教えてもらえますので、未経験でもスムーズに、段階的に習熟していけると思います。
リフォームなら何でもできる KENSHIは家づくりのヒーロー
今、KENSHIでは、新卒や未経験からでも、5年で一人前になれる仕組みを作り、多能工職人の育成に力を入れています。なので私は、現場で後輩とペアになった時には「私はこう教わったんだよ」と、親方や先輩から現場で直接教わった、マニュアルでは伝わらない部分も伝えるようにしています。本当に腕のある多能工職人のすごさというのは、どのようなリフォームでも完璧におさめられるところです。大工だけではなく電気・設備・水回りと何でもできて、さらに、今までやったことないことでも、ちょっと調べれば出来てしまう。
基礎になっている技術・知識・経験が桁違いなので、そばで見ていて「あっ、そうやるんだ!」という驚きの連続です。こういう、ずば抜けた腕と才を持つ親方たちから受け継いだものを、次世代に確実に手渡すことができるKENSHという存在によって、業界の未来は明るくなっていくのではないかと思っています。
将来は「仕事は真面目、でもフレンドリー」 「あの人に頼んでおけば大丈夫」と、お客様からも後輩からも、頼りにされ、愛され、尊敬される職人になろうと努力をしています。でも、私が頑張っている間には、親方たちもどんどん進化しますので、同じ時代で追い抜くのは、なかなか難しいかもしれませんね(笑)そんな憧れの親方にいつか追いつき、そしてその大きな背中を追い越せるよう、毎日を駆け抜けていきます。
JAPAN MULTI-CRAFTER ACADEMY多能工職人育成学校
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