COLUMN
職人として生きる。
はじめに
「職人が足りない。」
今、多くの工務店・リフォーム会社の経営者が、この言葉を口にしています。
しかし、本当に足りないのは「人」だけでしょうか。
もしかすると、私たちが足りないと感じているのは、
人を育てる仕組みなのかもしれません。
採用しても育たない。
育ってきたと思ったら辞めてしまう。
ベテランに教育を任せたいけれど、現場が忙しくて教える時間がない。
そんな状況を繰り返していては、会社の未来はつくれません。
だからこそ今、経営者が考えるべきなのが、「採用」から「育成」への投資です。
そして、その育成投資を後押ししてくれる手段の一つが、国や自治体などの人材育成支援制度です。
補助金は、単に会社の負担を減らすためのお金ではありません。
未来の職人を育て、10年後の会社をつくるための成長資金なのです。
職人不足の本当の問題は「人数」ではない
一人の職人が現場を離れれば、その分だけ会社の施工力は低下します。
しかし、それ以上に大きな問題があります。
その職人が持っていた、
「この現場なら、こう納める。」
「この材料なら、ここに気をつける。」
「お客様の家だから、ここまでやっておこう。」
という経験や判断力まで失われてしまうことです。
職人が一人辞める。
それは単に「一人分の労働力」がなくなるということではありません。
会社に蓄積されていた技術と経験が、一緒に流出するということです。
だからこそ、これからの工務店に必要なのは、職人を採用し続けることだけではありません。
自社の中で職人を育て、技術を残していく力です。
「補助金があるから育成する」のではない
人材育成を考えるとき、
「教育にはお金がかかる。」
そう考える経営者は少なくありません。
研修費。
資格取得費。
教材費。
外部講師への費用。
教育担当者の人件費。
確かに、人を育てるにはコストがかかります。
しかし、考え方を変えてみてください。
教育にかかる費用は、本当に「コスト」なのでしょうか。
若手職人が一人前になれば、会社の施工力が上がります。
できる仕事が増えれば、受注できる仕事も増えます。
資格や技術が身につけば、お客様への提案力も高まります。
さらに、成長を実感できる職人は、会社に残る理由を持つようになります。
つまり人材育成は、
**「費用」ではなく「会社の未来への投資」**なのです。
補助金は、その投資を始めるための背中を押してくれる存在です。
補助金を「人材育成のきっかけ」にする
人材育成の支援制度を活用する際に大切なのは、
「補助金が使えるから研修を受けよう」
という発想だけにしないことです。
まず考えるべきなのは、
「自社には、どんな職人が必要なのか?」
ということです。
例えば、
・大工だけでなく設備や内装も理解できる職人
・現場全体の工程を把握できる職人
・お客様と直接コミュニケーションできる職人
・デジタルツールを使いこなせる職人
・後輩を育てられるリーダー
会社によって必要な人材は違います。
だからこそ、
「5年後、10年後に自社がどんな会社になりたいのか」
を考え、その未来から逆算して育成計画をつくることが重要です。
補助金ありきではありません。
会社の未来が先にあり、その未来を実現するために制度を活用する。
この順番が大切なのです。
一人の若手職人が、会社の未来を変える
例えば、若手職人が資格を取得したとします。
最初は、たった一つの資格かもしれません。
しかし、その資格をきっかけに自信が生まれる。
新しい仕事を任される。
先輩から認められる。
お客様から「ありがとう」と言われる。
そして、
「もっとできるようになりたい。」
と思うようになる。
この小さな成長の積み重ねが、職人を変えていきます。
そして、一人の職人が変われば、現場が変わります。
現場が変われば、会社が変わります。
人材育成とは、人の人生を変えるだけではありません。会社の未来まで変える仕事なのです。
これからは「多能工」を育てられる会社が強い
住宅業界の環境は、これからさらに変化していきます。
職人不足。
工期短縮。
多様化するお客様のニーズ。
デジタル化。
省エネ・高性能住宅への対応。
一つの技術だけでは、対応できない現場も増えていくでしょう。
だからこそ、これから重要になるのが多能工人材です。
大工だけではない。
設備も分かる。
内装も分かる。
仕上げも分かる。
工程も理解できる。
そして、他の職人と連携しながら現場を動かせる。
そんな人材が増えれば、会社の施工力は大きく変わります。
人材育成への投資は、単に「職人を増やす」ためのものではありません。
一人ひとりの職人の可能性を広げ、会社全体の力を高めるための投資なのです。
デジタル技術も「未来の職人」の武器になる
これからの職人に求められるのは、昔ながらの技術だけではありません。
CAD。
BIM。
施工管理アプリ。
写真管理。
デジタル測量。
AIなどの新しい技術。
こうしたデジタル技術を現場で活用できる職人が、これからますます重要になります。
「職人だからパソコンは苦手でいい。」
そんな時代ではなくなっていくでしょう。
むしろ、
職人技術 × デジタル
という組み合わせこそ、新しい現場力になります。
補助制度を活用しながら、こうした新しい教育に挑戦することも、これからの工務店にとって重要な成長戦略です。
「育てる会社」には、人が集まる
採用活動だけで人材不足を解決するのは、簡単ではありません。
だからこそ、
「この会社に入れば成長できる。」
「ここで技術を身につけたい。」
「ここなら10年後も働いていたい。」
そう思ってもらえる会社をつくることが重要です。
教育制度がある。
成長できる道がある。
資格取得を応援してくれる。
先輩が教えてくれる。
努力を評価してくれる。
そんな会社には、人が残ります。
そして、人が残る会社には技術が残ります。
技術が残る会社には、未来があります。
経営者が今、決断すべきこと
人材育成は、成果がすぐに数字として表れるものではありません。
今日教育した若手が、一人前になるのは数年先かもしれません。
しかし、その数年後に会社を支えるのは、今育て始めた人材です。
だからこそ経営者には、
「忙しくなってから育てる」のではなく、
「忙しくなる前に育てる」
という決断が求められます。
補助金や支援制度は、その決断を後押ししてくれる可能性があります。
制度は毎年内容や公募条件が変わるため、最新情報を確認し、自社の育成計画に合う制度を選ぶことが重要です。
大切なのは、補助金をもらうことではありません。
補助金をきっかけに、人を育てる会社へ変わることです。
まとめ
工務店の未来をつくるのは、展示場でも、広告でも、最新設備だけでもありません。
最後に会社を支えるのは、人です。
技術を持つ人。
学び続ける人。
後輩を育てる人。
お客様の暮らしを守る人。
そんな職人たちが育つ会社には、必ず未来があります。
だからこそ、人材育成への投資を後回しにしてはいけません。
使える支援制度があるなら、積極的に活用する。
そして、その資金を「人を育てる仕組み」に変えていく。
一人の職人を育てることは、一つの会社の未来を育てること。
そして、その職人が次の職人を育てたとき、技術は未来へ受け継がれていきます。
JMCAは、多能工育成と職人教育を通じて、工務店・リフォーム会社が「人を採る会社」から、**「人を育て、技術を残し、未来をつくる会社」**へ進化するための力になっていきます。
未来の会社をつくるために、まず一人を育てる。
その一歩を、今日から始めてみませんか。
今回は【人を育てる会社は、補助金で「未来」をつくる ― 補助金はコスト削減ではない。未来の職人を育てるための「成長資金」だ。―】というテーマで書かせていただきました。いかがでしたでしょうか?
多能工職人学校JMCAでは、単に技術を教えるのではなく「お客様への接し方」や「仕事への取り組み方」「仲間との団結」というマインドの部分を重要視しており、これまでの職人のイメージをより良くし、もっと沢山の子供達に憧れられるような「愛される職人」を育成する。
そして、そんな職人を建築・リフォーム業界に増やしていく。
このような使命を掲げています。
私たちの理念に共感し、職人不足問題の解決に共に取り組んでいただけるパートナー様を募集しています。






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